センサリーモーターサイコセラピー(SP)は、言葉を超え、トラウマ体験に関連する無意識的かつ頻繁な身体的反応のパターンを用いながら、クライエントとの協働を支援し、彼らが持続的に無意識的な感覚へ気づくよう促します。このコースでは、クライエントが自身の身体に残るトラウマ体験に気づき、取り組むためのSPの基礎を学びます。また、苦悩やトラウマを抱えたクライエントに対し、すぐに適用できる新たなスキルを習得することを目指し、より複雑な臨床的状況に対応するSPスキルの活用法を探っていきます。
当コースは、米国SP研究所のオンライン学習システム(SPILO)で提供されるフォーラムでの質疑応答と、Zoomを利用した双方向ライブ配信授業を組み合わせた、6つのモジュールで構成されています。PC、タブレット、スマホでコースにアクセスできるため、ご自宅や外出先など、お好きな場所での学習が可能です。トレーナーや学びの仲間との時間を最大限に活かし、概念的なコース教材を学習できるよう設計されています。
このコースは、6つのモジュールで構成されています。コース修了後は「レベル II: 発達段階における傷つきの為のセンサリーモーターサイコセラピー」および2dayワークショップの受講資格を得られます。
このオンラインコースは「SP研究所のオンライン学習システム上で提供されるフォーラム」と「双方向ライブ授業」の2つの異なる学習スタイルで構成されています。
フォーラムでの質疑応答 (SPILO)
SP研究所のオンライン学習システム上で提供される「フォーラム」で、トレーナーや学びの仲間との質疑応答やディスカッションなどを行うことできます。
双方向ライブ授業 (ZOOM)
週末の決まった日時にリアルタイムで行われる双方向型ライブ配信授業です。講義、デモセッション、デモセッションの解説、質疑応答、グループ活動(実技練習)など、リアルタイムで講師や学びの仲間たちとつながりながら、議論を深め、小グループに分かれてスキルの練習を行います。
注)教材は日本語で、ライブ配信授業は日本語の逐次通訳付きです。
教材のレビュー
理解を深めるためのより掘り下げたディスカッション
考えや経験のシェア、 質問を通じSPの異なる活用方法を探る
身体に関連するSPの構成部分を体験するための動きや視覚化を行う演習
ケース分析やスキル適用実践のサポートのためのデモ
ケーススタディや臨床セッションの記録映像を利用しながら、ケース分析やスキル適用方法を検討
小グループでのSPスキル練習
スキル開発に役立つフィードバック
資料と講義 と ビデオ
SPの基礎概念
関連する神経科学
技法および理論的根拠の説明
臨床例
ケーススタディ
臨床セッションの記録映像
ディスカッション
学習テーマを深く掘り下げ, 講義やスキルに関する質問の機会の提供
体験的な学びのために
デモンストレーション
概念とスキルに関するデモ動画の提供
体験的な演習
動作や視覚化を行う演習
SPのスキルを実践するためのビネットの作成や演習
学びの仲間と共にオンライン上で行うスキル練習やグループ学習体験
ケース コンサルテーション
SPの実践、応用のための、グループコンサルテーション(7時間)の提供
※グループコンサルテーションの費用が別途かかります
より深い学びのための参考資料
学習内容の応用と臨床的な理解を促すための、実践演習、図表、ワークシート
関連分野のテーマをより深く探求するために役立つ参考記事や動画へのリンク集
副読本
トレーニング中の副読本として、次の3冊が推奨されています。
Trauma and the Body : A Sensorimotor Approach to Psychotherapy (2006) by Pat Ogden, Kekuni Minton, and Clare Pain
トラウマと身体:センサリーサイコモーターセラピー(SP)の理論と実践 (2012) パット・オグデン, ケクニ・ミントン, クレア・ペイン,他太田茂行 他訳, 星和書店
Sensorimotor Psychotherapy: Interventions for Trauma and Attachment (2015)by Pat Ogden and Janina Fisher
センサリーモータサイコセラピー(SP)の基礎
SP とは何か?
体験の組織化に取り組む
プロセスの諸段階
セラピー(treatment)の諸段階
オンライン セッション実施の場合の検討事項(およびその他の環境要因)
ウェルビーイングとトラウマ
解離連続体
手続き学習
トラウマの類型
抑圧によるトラウマ
SPの様々なスキル
トラッキング
コンタクト
フレーミング
マインドフルネスの諸段階
ソマティックな実験
自律神経系活性化の調整
ソマティックおよび具体的なリソースの構築
変容と統合のためのソマティックスキル
トラウマ体験のソマティックな処理
感覚運動の順序付け
能動的な防衛の回復
意味づけとトラウマ
情緒、感情、およびビリーフシステム
セラピー的関係性
癒しへの潜在力
エナクトメント(微細な攻撃を含む)
関係性および発達に関わるプロセスの紹介 (発達に関連するテーマとSPの着目点)
事例の概念化
アセスメント
専門家としての成長
レベル I :トラウマ(ライブ・オンライン)受講には、以下の条件を1つ以上満たす必要があります。
以下の資格を保有している方
医師(精神科)、公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士、看護師(精神科)、養護教諭
以下の対人援助職に従事されている方
児童相談所勤務、養護施設勤務、スクールカウンセラーなど、精神保健医療に関わる専門職に従事されている方
日本及び諸外国の臨床心理大学院修士以上の学位保持されている、
あるいは、臨床心理大学院に在籍されている方
以下の条件の方は推薦状の提出が必要です。
臨床経験3年未満の方(上記の有資格者、対人援助職に従事されている方、および学位保有の方)
現職の上司の推薦状
臨床心理大学院在籍中の方
スーパーバイザーからの推薦状
このコースは、「フォーラム」はOpen LMS(*1)で、「ライブ配信授業」はZoom を利用して行われます。
コースへはPC、タブレット、またはスマホ(*2)からのアクセスが可能です。快適なオンライン学習のためにコンピューターまたはタブレットからのアクセスが最適です。ビデオ配信や大きなグループでの オンライン会議の実施は、コンピューター システムへ非常に大きな負荷がかかりますので、快適な受講のために有線(イーサネット)でのインターネット接続を推奨しています。
*1 オンラインコース用のプラットフォーム
*2 コース教材の一部はスマホの アプリでご利用いただけませんので、ご注意ください。
コンピューターのオペレーティング システム(OS)、およびインターネット ブラウザーのバーションを最新にしてください。
受講のための静かな場所を確保してください。
Wi-Fi接続ではなく、イーサネット接続(*3)をご検討ください。
オンライン 授業受講のために、マイク付きヘッドセットの使用を推奨しています。
*3 Macユーザーの方は、イーサネット接続にアダプターが必要になる場合があります。
双方向ライブ授業18日間のうち、15日以上の参加が必要です。4日以上の欠席の場合は、修了証が発行されないことがあります。
グループ コンサルテーション(7時間)の受講が必要です。
グループコンサルテーションは、事例を通してSP受講者を援助するためのものです。内容は、学習環境から実際のサイコセラピーの実践における臨床応用にまで渡ります。経験豊富なトレーナー、SP 認定コンサルタントからアドバイスを得て、臨床現場でのSPを学んでいきます。
トレーナーまたは SP 認定コンサルタントから、グループ コンサルテーション(1回あたり3.5時間)を受ける事が必須となります。1回の事例提供(3.5時間)と1回のオブザーバー参加(3.5時間)の合計7時間が修了要件となります。オブザーバーは希望であれば何回でも参加が可能です。
全体で6~8グループが編成され、1グループ6人が事例提供をします。
日程等の詳細は、コース中に説明されます。時間は午前9:00~12:30(休憩を含む)の土日祝日になります。
グループ コンサルテーションの参加費用は、 授業料に含まれていませんのでご注意ください。
コンサル料 1人 125米ドルを担当するコンサルタントに各自が支払います。
オブザーバー料は1回が3,300円(税込)です。1回につき6人の事例を陪席できます。複数回の参加が可能です。参加回数分をJASPAに各自が支払います。
事例提供毎に、通訳料1人 5,000円(税込)を担当通訳者に各自が支払います。オブザーバーは通訳料を払う必要はありません。
* グループ コンサルテーションの参加費用は、 授業料に含まれていませんのでご注意ください。
** SP体験セッションは修了要件ではありませんがトレーニングでの学びの理解と統合を促進するためにトレーニング期間中にSP 認定プラクティショナー (米国SPIサイトに移動)による個人セッションを体験することをおすすめします。
このコースは「臨床心理士資格更新のためのポイント」が4ポイント付与されます。また、 米国の各州/各郡のライセンスをお持ちで継続教育の履修単位をご希望の方は、米国SPIへ直接お問い合わせください。
*継続教育/継続的な専門家としての成長に関するドキュメント (米国SP研究所ウェブサイトへジャンプします)
双方向ライブ配信授業期間(18日間)内で、4日以上欠席した場合は、以下の補習が必要となります。
欠席した日の授業録画を視聴し、復習する。
欠席した日の実習を、他の受講生と一緒に行う。
※ 修了要件として、欠席は最大3日までとなります。
※ 4日以上の欠席の場合は、修了証が発行されないことがあります。
※ 補講として録画視聴が可能です。(視聴期間はコース終了後から1年間)
このコースのもう一つの魅力をお伝えしましょう。それは充実した学習機会です。
1~6までは、全て受講料に含まれています。
「グループ・コンサルテーション」 だけは、別途コンサルテーション料が必要になります。
【1 ライブ授業】
レベルⅠ コースは、全部で90時間!金~日の3日間でライブ授業がおおむね隔月に1回実施され、約8か月続きます。
【2 小グループ練習】
このライブ授業中にはスキルを練習する時間があります。午前の講義やデモで学んだスキルをタイムリーに集中して練習することで、体験的な学びに落とし込むことができます。また練習時に疑問が出たことは練習後に設けられている質疑応答の時間に取り扱うことが出来ます。
【3 スタディ・グループ】
受講生6人程度でグループが組まれますので、各グループが自発的に勉強会を開催していただきます。スタディ・グループにはアラムナイラーナー(レベルⅠ修了生)がグループ毎に付きます。スキル練習をしたり、疑問点を話し合う時間に充てることが可能です。グループ内で解消できなかった疑問は、SPILO(プラットフォーム)でトレーナーに質問することができます。
【4 ピア】
受講生の中から2人1組でピアを組みます。コース期間中、相談や励まし合い、練習相手となりお互いを支え合います。
【5 修了生用コミュニティ 「SP_AL_Community」 】
レベルⅠを修了された方同士が情報交換をしたり、学びを深め合う場として「SP_AL_Community」(オンライン・コミュニケーションツールであるSlackを使用)があります。最近ではSPの練習会も開催しています。
【6 グループ・コンサルテーション】
上記ライブ授業のすべてが終了した後、受講生が事例を持ち寄り学ぶ機会としてグループ・コンサルテーションがあります。これはこのコースの修了要件でもあり、14時間受けることになります。「6~8人の専門領域の異なるコンサルタントからコンサルを受けることができ、約6~8グループあるグループ・コンサルテーションの機会に何度でもオブザーバー参加することができます。臨床現場で効果的なスキルやあり方を学ぶ機会がたくさん用意されています。
ライブ授業以外にもたくさんの学習・練習機会がありますので、習得に心配がある方もご安心ください。