カリキュラム
概要
センサリーモーターサイコセラピー(SP)のトレーニングは、メンタルヘルスの専門家がSPの理論と技術を臨床実践に統合し適用できることを目的として設計されています。
トレーニングは、神経科学と愛着の研究に基づいており、さらに「身体」をセラピーのリソースとして利用し、かつ介入の対象として心理療法に取り入れるために必要な基礎的なスキルと原則を受講生に提供します。受講生は、クライエントのより深い真の体験に先立つ情緒的および認知的体験を扱うため、マインドフルネスに基づいたアプローチを習得していきます。
臨床現場で活躍されている専門家にとって、SPに関する学びを統合するのに役立ちます。また臨床経験の少ないメンタルヘルスの専門家の方や、将来的に臨床での実践を目指している大学院生の方、メンタルヘルス領域の資格取得を目指している方にも適したプログラムです。
基本理論
従来の心理療法は、トラウマや早期の愛着の問題の認知的および情動的な要素に対処するもので、生理学的要素に直接的に働きかける手法に欠けていました。トラウマや早期の愛着は身体に大きな影響を与え、クライエントが悩んでいる多くの症状は身体に起因することが、研究により明らかになっています。
センサリーモーターサイコセラピー(SP)は、伝統的な心理療法の技術と原則に基づきながら、身体を中心としたアプローチを行います。SPのアプローチには、通常の精神力動(心理力動)的心理療法では行われない観察技術、理論、介入が含まれ、複数の精神保健や身体心理療法の流派の理論的原則、および治療アプローチが統合されています。
SPは、ロン・クルツ(Ron Kurz, ハコミセラピー創始者)により開発された身体志向心理療法の方法論を治療技術の基盤とし(Kurtz, 1990) 、精神力動的心理療法、認知行動療法、神経科学、愛着と解離の理論から、それらの原理と技術をSP基礎理論に取り入れています。
専門トレーニング
複雑性トラウマと解離
複雑性PTSD 、解離障害、境界性人格障害、摂食障害、依存症、自傷行為など、複雑な症状や障害を持つクライエントの特別なニーズに対応するためのSPの技術や原理の活用法を学んでいきます。